変人執事とツンツンお嬢様


リビングに向かう途中の廊下でばったりと出会ってしまった零慈くんは


あたしと違ってすでに支度を終え、いつもと変わらない格好をしていた。




……まだ、午前5時。

なんでだ。





「っ、は、早いな!!!」


「はい、本日は4時半の起床でした。」


「ょ、4時半……!!?」




全然寝てないじゃないか!!?


それなのに、いつも眠気の少しも感じさせない笑顔と態度で私に仕えてくれるとは………



私はいつも、感謝の気持ちを伝えられていただろうか。






「…眠くないのか?」


「弥呼さまのお美しい姿を見たら、眠気など吹っ飛びますからね」


「…キミはもっと休め。何も今日のような休日に…」






今日は土曜日だ。


休日に1日付きっきりでお世話を と、零慈くんが指定したのだが

毎日これでは体が保たないだろう。




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