変人執事とツンツンお嬢様
執事は、この寝不足気味な生活が普通なのかもしれないが
……零慈くんが倒れては困る。
なぜ困るかはわからないが、困るものは困るんだ。
「弥呼さまに仕えて初めてわたくしの存在価値になるのです。
ですから弥呼さまは遠慮なさらずに、なんなりとお申し付けを…」
いつか見たように
跪いて
頭を下げて
忠誠を誓う。
「…ふん。執事とは大変な仕事だな。
自分を酷使して…相当なサディストではないか?」
「ふふふ……いえ。その逆でございますよ」
「ふん…よくいうな。」
いつもはかなり目線を上げて話す相手が、見下ろす位置にいるのはなれない。
私などに跪くなんて、その必要はないのに。
彼に早く立ってほしくて、私は洗面所に逃げ込んだ。
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