変人執事とツンツンお嬢様
「では、弥呼さま」
「……?」
スッと私の横にきたかと思えば、していた革の手袋を外す。
(な、なにを……)
―――スルッ
「っうひゃ!!?」
私の耳元を、彼の長い指がすり抜けた。
「な、なにをするっ」
「なにを…と仰られましても。
ご覧の通り、お顔を洗ってさし上げようかと。」
「っ、は!?」
そう言いながら私の髪を束ね、ヘアバンドをはめた。
あっという間に洗顔スタイルだ。
「弥呼さまはお水で洗われる方ですか?それともぬるま湯で…」
「い、いらん!!!洗顔の世話はしなくて―――…」
うぐ、と言葉に詰まる。
(…そ、そんな目でみるなっ)
なんとも悲しそうに、いかにも
傷つきました。 というように
潤ませた瞳を向けられては……
それに、
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