変人執事とツンツンお嬢様
「き、君は……」
「弥呼さま、お会いできて光栄です。
ずっと貴女に会える時を心待ちにしておりました。」
何者だ…?
そう言い終わる前に、座り込む私の前に跪く「執事」。
「申し遅れました。
本日から弥呼さまの執事を務めさせていただきます、
夜雅御 零慈と申します。」
「…やがみ…れいじ…」
「漢字は少々やっかいになっております故、こちらを。」
差し出された名刺。
確かに複雑で珍しい。
「君は…執事、と言ったが…」
「はい。他でもない、弥呼さまの執事でございます。」
そして跪いたまま、深く頭を下げる夜雅御さん。
待て…私は執事など…
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