変人執事とツンツンお嬢様
「では、詳しいお話はお部屋でお茶でも飲みながら。
どうぞ、弥呼さま。」
スッ と腕を引かれて、エスコートされる。
革の冷たい感触が、熱くなった手を余計に熱くさせているようだった。
「…ぁれ…」
部屋に入ると、すでに家具がきちんと並んでいた。
…おかしいな、私が自分でやるはずだったのだが。
「…あの、夜雅御さん」
「夜雅御で結構ですよ、弥呼さま。」
にこ と笑って、紅茶の準備をする「執事」。
……絶対、この人は私が聞きたいことをわかっている。
ニコニコと笑顔を浮かべたまま、紅茶をいれる「執事」を
私は少し悔しくなりながら見つめた。
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