変人執事とツンツンお嬢様
「君は、専属の執事になる気はないのかね?」
「……え」
落ち着いた声で言われて、つい黙ってしまう。
専属の執事 とは簡単になれるものではなく、その家からの信頼、執事としての実力…色々なものが必要だ。
なる気がないワケではなく、なれなかったと言った方が正しい。
「…僕はまだ未熟です。
壇ノ宮さまの専属執事など…」
頭を下げたまま言うと、驚きの答えが返ってきた。
「ハッハッハ!!違うよ零慈くん。わたしではなく、孫の専属執事を頼みたい。」
「…ぼ、僕が……
弥呼さまの…!!?」
驚きで、カクンと膝が崩れた。
………信じられない。
.