変人執事とツンツンお嬢様


声を荒げることの少ない私が取り乱すほど衝撃的。


何せ、誰もいないと思っていた部屋にあの変人執事がいて

しかも同じベッドに、すぐ隣にいて


それに気付かなかった私。


いくら寝起きだったとはいえ、この執事はどんだけ気配を消していたんだ……?




「それは弥呼さま、昨日申したではありませんか。

“弥呼さまがお目覚めになるときにはそばにおりますので、ご安心を”と。」




朝からウザイくらい爽やかで美しい笑顔を纏う執事。

それに反し、私の表情は歪んでいく。




「…そばに の意味が違う。
私はベッドの横で立っているのだと…」




すると執事は、私の左手を両手で握った。




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