変人執事とツンツンお嬢様


手ぶらで行くのもあれだろうし…





「その心配はありません。
わたくしがご用意いたしましたので…」


「えっ……ぉ、おぉ。
さ、さすがだな。」




サッと差し出された袋には、いい感じのお菓子がたくさん入っている。


…あれ、これって。




「…これ、壇ノ宮が作ってるチョコレート?」

「はい、その通りにございます。昨夜工場に連絡し、持ってきていただきました。」


「そ、そうか…」




チラリ と袋の中を見て、ブンブンと頭を振る。


このチョコレートは、私がこの世で一番好きなお菓子で

昔からよくお祖父様にいただいていたもの。



(…食べたい…)




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