変人執事とツンツンお嬢様
ため息が足元に落ちる。
部屋はもうすっからかんの状態で、妙に切なくなった。
「……お母様…」
唯一、あたしを愛してくれたお母様。
今は写真でしかみることができないけれど…
お母様がいたときは、お父様と3人、仲良くできていたのに。
お母様が亡くなって、私を癒してくれていた近所のお兄ちゃんも
随分と前に引っ越してしまって
私の心は孤独。
ずっとずっと……冷たいまま。
「…会いたい……」
無駄にふかふかなベッドに顔を埋めて祈って
そんな自分を嘲笑って、また心を閉ざす。
それを今まで、何回繰り返してきただろう。
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