変人執事とツンツンお嬢様
中学生になりたてのとき、近所のお兄ちゃんに
「お前はツンデレじゃなくてツンツンだな」
って、笑いながら言われた。
もちろん、デレなんて存在しない私は
冷たく言い返してしまった。
「ツンツンで何が悪い。
仕方ないだろう、こういう性格だ。」
そう言った瞬間に、後悔する。
自分の態度を後悔する。
こんな最低な態度の私にも、お兄ちゃんは笑ってくれた。
「お前は可愛いよな」
って、頭を撫でてくれた。
……懐かしい。
でももう、私に対してあんな風に笑ってくれる人は周りにいない。
会いたい、お兄ちゃん。
会いたい、お母様…
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