変人執事とツンツンお嬢様
チョコレート
とりあえず挨拶回りが終わり、部屋に戻る。
しかし、彼の様子は変わらない。
どこか落ち込んだような…不自然な笑顔を見せている。
「もうお昼になりますね。」
「…あぁ、本当だな。」
リビングのソファーで寛いでいると、夜雅御さんが時計を見て言った。
やはり声色が暗い気がする。
「昼食は何にいたしましょう?」
「…そうだな、お任せする。」
「……」
「……?」
「……」
「…夜雅御、さん?」
どうしたのだろう、ボーッとして…
「…っ、スミマセン!!
失礼いたしました…」
「大丈夫だ。昼は…そうだな。
たまには洋食…オムライスが食べたい気分だ。」
「…誠に申し訳ありませんでした。
オムライス、すぐに作って参ります。」
深く頭を下げ、さっさとキッチンに消えた夜雅御さん。
(……はやりおかしい。)
今までとは明らかに違う
“おかしい”だ。
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