変人執事とツンツンお嬢様


私は今まで、人のことを真剣に考えて来なかった。


人の気持ちや思いを、遮断して生きてきた。



そして自ら心を閉ざし、なるべく人と関わらないように…

それだけを考えていた。




そんなことをしてきた私に


彼の気持ちをわかってあげることなど……






「……出来るワケがない…」




(直接聞ければ…)


でも、私は人と上手く話せない。

また悪態をついて、彼を傷つけるかもしれない。



(ならメールを…)


…ダメだ、アドレスを知らない。




「私は何をしているんだ…」





本日数十回目のため息は

真っ暗な寝室に消えた。





.
< 83 / 173 >

この作品をシェア

pagetop