変人執事とツンツンお嬢様
私は今まで、人のことを真剣に考えて来なかった。
人の気持ちや思いを、遮断して生きてきた。
そして自ら心を閉ざし、なるべく人と関わらないように…
それだけを考えていた。
そんなことをしてきた私に
彼の気持ちをわかってあげることなど……
「……出来るワケがない…」
(直接聞ければ…)
でも、私は人と上手く話せない。
また悪態をついて、彼を傷つけるかもしれない。
(ならメールを…)
…ダメだ、アドレスを知らない。
「私は何をしているんだ…」
本日数十回目のため息は
真っ暗な寝室に消えた。
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