変人執事とツンツンお嬢様
「何だ!!離せ!!!」
「離しません。」
「何で引き止める…?」
「わたくしから話があるのです。」
「…今さら話など」
「すぐ終わります故、どうか…」
腕を離し、私の目の前で跪く夜雅御さん。
…その動きに、つい目を見張る。
「……な、そこまで…」
「お願いします、弥呼さま。
どうか1分だけでも…」
彼の前にしゃがみ込み、肩を叩く。
こんな風にされるのは慣れていない。
「…わかった。聞く。
だから…………」
それを聞いて、パッと顔を上げた夜雅御さんは
次の瞬間、
私のことを引き寄せて、がっちりと腕に抱いた。
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