幸せの音が響く
もの凄い高さからの急降下。  ぐるっと大きな弧を描くように4回も回りジェットコースターは終わった。


『ぅわーすげぇ勢いだったな!!』


とバーを上げ横にいる高村を見るとすごいグッタリしていた。


『おい!?大丈夫かよ!?』

「こっ・・怖かったぁぁ・・口から内臓が出るかと思ったよ・・」

『あははッ・・』


笑っちゃいけないと分かっているけど吹き出してしまった。

可愛かったんだよ。


『ほら、行こうぜ?』


俺が先に降りないと高村が降りれないので立とうとするけれど、高村が立つ気配がしない。


『高村?』

「どうしよう・・何か足がふるえて立てない・・・!!」

『え・・?マ、マジ?』


あはははははッ!!
ヤベェ、マジ可愛い!!
何なんだよ?マジで可愛いんだけど!!


『ほら、このまま座ってっともう1回乗るはめになっちまうぜ?』

「えっヤダ!! 待って、何か立てそう」


俺の言葉に反応して何とか立ち上がりジェットコースターから降りようとすると、高村がバランスを崩し俺の胸の飛び込んで来るかたちになった。


『おっ・・と!!大丈夫か?』

「わ〜っごめん!!」


慌てて俺から離れようとする高村を離したくなくて、俺は高村を抱き上げた。

いわゆるお姫さま抱っこ。 


うっわ。軽!!


これには高村もさぞかし驚いたようで――


「ちょっ・・たっ、鷹野君!?な、何して!?お、降ろしてッ!?重たいから!!」

『軽いよ?』


サラッと答える俺に対して高村はまだ何か言い続ける。


「軽くないよ!!ちょっ本当に・・皆見てるッ!!」

『見てないよ。ほら』


と周りを見渡す仕草をするけれど本当に誰も俺達のことを気にしている様子はない。

ただのバカップルとしか思ってないんだろう。

ああ、それで結構です。
どうぞバカップルに見て下さい。


高村は凄い恥ずかしがっているが俺はちっとも。



嬉しいですよ?




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