幸せの音が響く
「幸!?どうしたの!?」

「涼子っ」

『や、高村が立てないって言うから』

「え!?言ってないよ!?」

『言ったじゃん。足ふるえて立てないって』

「言ったけど、でも立ったよ!? もう大丈夫だから!!」

『あんなに怖がってたのに?・・やっぱまだ危なっかしいからダメ』

「そっ、そんな!!」

「いいじゃん。そのままで。  怖さのあまり腰抜けたんなら歩けないでしょ」 


そ、そこまで言ってないよー!?


「てか俺らもう1回乗ってくるから。さっき南と話してて、まだイケるよな!?って」

「うん。そういうワケだから鷹野、幸のことヨロシクね。私らが戻ってくるまであそこに座って待っててよ。
じゃぁねー行ってくる!!」 


ぁぁ〜行っちゃったよ・・。

どうすんの!?鷹野君と2人っきりなんだけど!?
しかもまだこの体勢だし!! 


『さ、じゃぁ、あの2人が戻ってくるまで待ちますか』

「う、うん・・」


あ゙〜ッ!!顔上げれないよー!!
早く降ろしてー!!


『はい』


あ、イス!?良かった解放された!!もう本当恥ずかしいよー。


『少しは落ち着いた?』


いやッ全然!!
もうジェットコースターの恐怖なんてどっか行っちゃったよ!!
なんて言えるワケないじゃん!!


「うん・・大丈夫・・。
えっと、ありがとね?重たかったよね!?」

『いや全然。あ、ちょっと待ってて』


と言い残しどっか行っちゃった。


「ふぅ・・・。
もう本当に恥ずかしかったよぉ。いきなりあんな・・・」


わぁぁっ。思い出すと恥ずかしいよ!!私をあんな軽々と・・。

やっぱり男の人なんだ・・・。

しっかりと私を抱きかかえるたくましい腕に、私の上半身が隠れるほどの大きくて広い胸。

初めてあんな近くで男の人を感じた。

どうしよう、まだドキドキいってる。








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