幸せの音が響く
響と高村はうまくやってんだろうか?

せっかく2人にしてやったんだから何か進展してくれなきゃ困るぜ。


・・・って、今はあの2人のことを心配してる場合じゃねぇんだよ。



なんか、俺さっきからおかしいんだけど?



「あーもう!!何なの!?コイツら!?来ないでよ!!」


ぶはッ!!

あははははははッ!!!!

こいつお化け相手に!!
おもしれーぇッ!!
ここまでくるともう可愛いしかねぇよ。


「ほら、大丈夫だから行くぞ」


耳を押さえながら騒ぐ南の手を取り前に進んだ。

さっきからずーっと服を力強く引っ張られ動きにくくてしょうがなかった。

だから手を繋いだだけなのに、ドキン・・と胸が高鳴った。




この時既に俺は病気に侵されていたんだ。


“恋の病”という名の病気 


胸の高鳴りが病気を表しているにもかかわらず、俺はまだ気付いていなかったんだ。

そして、最も最悪なかたちで気付くはめになる――





「もうッ。あんたがお化け屋敷行こうなんて言うから!!」

「普通、遊園地来たら行くだろ。それに当初の目的忘れたのかよ?2人をくっつけるためだろ?」

「だからってお化け屋敷ってバカなんじゃないの!?」 


あ゙!?さっきから俺のせいだのバカだの言いやがって・・まぁ、今だけは許してやるけどよ。



「お?ここじゃねぇか?合流地。響はまだ来てないみたいだな?
そういや高村ってお化け屋敷とか怖くねぇの?」

「幸は大丈夫だよ。結構楽しむほうだから」

「あ〜じゃぁ、キャーとか言って響に抱きつくとかねぇのかぁ。つまんねぇなぁ」

「バッカじゃないの!?」




『おーい勇哉』

「涼子ー」


俺達が着いて数分後に響達がやってきて、来るなり高村は南のもとに駆け寄よった。


「大丈夫だった?」

「大丈夫じゃねぇ!!早くここから出てぇ!!」




“さっさと行くぞッ”と南に急かされ、またもや俺と響を先頭に南の叫ぶ声を聞きながらお化け屋敷から出ることとなった。





< 107 / 186 >

この作品をシェア

pagetop