幸せの音が響く
―――「南の彼氏?」

『そう。南と知り合いなら何か知らね?』

「それはあれか?ウワサになってる、広瀬が南に告白したっていうのに関係が?」

『げっ!!何で先生まで・・』

「朝から生徒達の間で話題になってるからな。
それに保健の先生をみくびっちゃ困る。伊達に生徒達とコミュニケーション取ってないからね。
様々な情報を知ってるよ?」

『何か怖ぇな。まぁいいや。
そんで南の彼氏のこと何か知ってんの?』

「う〜・・ん。知ってるけど南から口止めされてるからねぇ。あんまベラベラ喋んなって」

『なんだよ?別にいいじゃねぇかよそれぐらい。何だってそんなイヤがるんだ?』

「さぁね。鷹野は何も知らないのか?」

『俺が知ってるのは年上ってことだけ。しかも社会人なんだろ?ビックリだよ。大学生とかならまだしも・・』

「人を好きになるのに年上年下は関係ないんじゃないか?
彼の方も相手が年下の、しかも高校生ってことで色々考える部分があったと思うけど、それでも好きだから付き合ってるんじゃないかな。
まぁ言えることは、遊びじゃないことは確かだよ。
女子高生相手だから軽くとか、そんな中途半端な気持ちじゃなさそうだよ」

『よく知ってんな』

「まぁね。後はそうだなぁ・・教えられることは。
身長は俺と同じぐらい。好き嫌いは基本的に無し。酒は強いけど恋人が未成年だから一緒に飲むってこともなく最近じゃ滅多に飲まない。煙草も南がやめろって言ったからやめたし。そのおかげか身体の調子が良いみたいだなぁ」

『なぁ名前は?名前何て言うの?』

「おっと、名前はNGゾーンだ。教えられないなぁ」 

『マジでぇ?別に身長とか煙草とかどうでもいいんだけど?俺らが知りたいのはもっとこう・・』

「性格とか何で南と付き合ってんのか?とかそういうことが知りたいんだろ?」 

『そうだよ、それ!!』

「性格って言ってもなぁ、言葉で説明しにくいよ。
それに何で南と付き合ってるかなんて、答えは一つしかないだろ?好きだからだよ。」―――




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