幸せの音が響く
さぁ。告白すると決めたはいいが何て言う?




“好きです。付き合って下さい”


やっぱストレート?それとも―


“オレ、高村のこと好きなんだけど付き合わね?”


みたいなちょい軽めな感じ?
いや、これは何か誠意が感じられない。ダメだ!!
なら―


“結婚を前提にお付き合いして下さい”


いやいや俺らまだ高校生だから!!そりゃ結婚まで出来たらいいけどさ。
ちょっと早くね?

ぁ〜何て言えばいいんだよ?

俺の気持ちが真剣で真面目で、まっすぐ伝わる告白の仕方ってどんなの?



朝から悶々と考えながら、今日も高村のいる教室へ向かった。


いつものように“おはよう”と声をかけようとした瞬間、言葉を呑み込んだ。

窓を開け、サッシに手をかけて空を見ている高村があまりにもキレイで・・。

いつも縛っている髪を何故か今日はおろし―
開け放たれた窓からは少し冷たい風が入り込みその細い髪をなびかせている。

そして、空を眺める度見せる優しく柔らかく微笑む顔が、今一瞬だけ哀しげな表情に見えた。



「あ、おっおはよう」

『・・おはよ。てか今日結んでないね?』


喋りながら高村の傍に近寄った。


「あ、これは今日妹の髪をしてたら時間無くなっちゃって。今から結んでこようと思ってて」

『えっ何で!?結ぶなよ勿体ない!!せっかくキレイなのに・・・――』


と、高村の髪を触った。

指通りがなめらかでキレイだ。

このままギュッと抱きしめたくなる。


「えっ、ちょっ鷹野君!?」 

『高村って少し茶色んだな?地毛だろ?』


俺は高村の髪に触れながら話を進め、高村は俯きながら答えた。


「じ、地毛だけど少し茶色ねってよく周りから言われるかなっ?
あ、あの・・もっ、もう・・」

『ああ、ごめん。でも今日は結ぶなよ。たまにはおろせば?雰囲気違っていい』 

「えっ、あ・・う、うん・・・」


おろしている姿を見たいためとはいえ、何言ってくれちゃってんだよ俺!!

ほぼ強制じゃねぇかよ。

でも・・髪おろしてる時の高村って何か大人っぽいんだもん。


キレイで可愛くて―

やっぱり好きだぁ


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