幸せの音が響く
『ん〜ッ!!よし、高村行こうぜ』


退屈な授業を終え、放課後は俺の至福の時♪

いつも高村と一緒に図書室に向かう。


「幸、当番終わったら一緒に帰ろ?後で図書室行くよ。チョット先生んとこ行ってくる」


南が高村と一緒に帰る約束を取り付けた。

ちなみに先生とは佐伯のことだろう。

よくもまぁ、そんな堂々と。

ま、誰も先生と生徒が付き合ってるなんて思わねぇわな。

でもいいなぁ。俺も高村と一緒に帰りてぇ。

2人一緒に手つないで帰ったり、どっか寄り道したり!!

最近、学校・街中でカップルを見るたびに羨ましく思う。
俺も高村と――って。


ほら、ここにもまた一組のカップルがいますよ。

2人寄り添って仲良く勉強なんかしちゃってさ。
さぞかし幸せだろうに。


『なぁ、あそこにいるカップルたまに見ねぇ?』


図書室の机で勉強している2人を見て言った。


「ああ、あの1年生?私もよく此処で見かけるよ?イイね。羨ましいよ」

『本当に・・』


ん!? 今羨ましいって言った!?羨ましいってことは・・高村もああいう風になりたいってこと!?

恋人同士で勉強を教えたり教えられたり?
そういうコトしたいってこと!?

それって・・彼氏が欲しいってことだよな!?そう取れるよなッ!?
じゃなきゃ羨ましいなんて言葉出てこねぇよ!!!!

じゃぁ何か?今、高村は恋人にしたいヤツがいるってことか!?
その人と付き合いたいな♪とか思ってたりすんのか!? 

私もいつかあの人と・・―みたいな考えか!?

そうなのかッ!?!?








って飛躍し過ぎですか?

すいません。

でも気になるよな・・?
南はちーっとも教えてくんないしさ。




『あ〜・・なぁ、高村って今、好きなやついんの?』 











自然と口から言葉が出ていた。



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