幸せの音が響く
愛しくて気が狂いそうだ。 




高村が“好き”と言いながら背中とも言えぬ位置で俺の服をギュッと掴んだ。

その瞬間、あまりにも愛しくて抱きしめる腕に更に力が入った。



どうしてこんなにも愛しいんだろう?



好きで


好きで



どうしようもない――






どれくらい高村を抱きしめていただろう?

数分がもの凄く長く感じられた。



『落ち着いた?』


高村の涙が落ち着いてきたのを見て話しかけた。


「あっ、ご、ごめんなさいッ!!」


慌てて俺の腕から逃れようとするから逆に閉じ込めた。


「わッ!!た、鷹野君!?」

『ずっとこうしたかったんだ。こんな日が来ることを願ってた』

「あ、わ・・」

『さっき高村が言った、俺のこと好きっていう・・あれ本当?』

「あ・・ほ、本当です・・」

『どうしよう。すげぇ嬉しい。  ゴメン、しばらくこうさせて』



高村が俺のことを好きという現実がまだ信じきれなくて、夢なんじゃないかと思うけど、でも俺の腕の中に確かに高村がいる。








やっぱり現実なんだ。

夢じゃない。











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