幸せの音が響く
“彼女”


彼女・彼女・彼女!!



ぁ〜何てイイひ・び・き♪ 

どれだけこの日を待ってたことか!!

彼氏彼女だぜぇ!?最高じゃね!?

あーもう超嬉しいんだけどッ!!

きっと勇哉驚くぜ!!
昨日メールしようかと思ったけど何か直接言いたくてさ♪



「あ、あの、一つ聞いてもいいかな?」


高村が申し訳なさそうに言った。


『ん?』

「昨日、涼子から私のことを聞いたっていう・・」


ヤベッ。南から秘密にしとけよ!!って言われてたけど言っちまったんだよ!!


『ゴメンッ。あれはその〜聞いたは聞いたんだけど、本当に大まかにしか聞いてないから』


・・・・ウソついちゃった。大まかどころか細かく聞いたよ!!
でも知らぬが仏って言うし。これ以上は高村から話してくるまで知らないふりをしよう。
でも一応謝っとかないと!! 


『本当、ごめん!!知られたくないことだったよな!?
でも南は悪くないぜ!?俺がしつこく聞いたからしゃーなしに教えてくれたって感じで・・。お、怒ってる・・?』

「怒ってないよ」


あはは。と笑いながら高村は笑顔で流してくれた。

そして、自分からは言いにくいだろうに過去のことを話してくれた。



南の言った通り、冗談で告白をされ、それからその男子とぎこちなくなった。と話した。

さすがに言われた言葉とかは控えた。
多分、高村にとって俺に聞かれたくない言葉なんだろう。

本当は知っているが、ここでブチまけたら相当のバカだ。

南への信頼も失うし、俺も嫌われる。

それだけは勘弁だ!!



「まぁ、私もバカだったんだけどねッ。そんな事あり得ないのに」

『高村はバカじゃねーよ!!傷付いて当たり前だよッ。俺も分かるよ高村の気持ち・・全部じゃないけど少しだけ・・』

「え?どういう・・」



高村が自分の辛い過去を話してくれたのだから俺も高村に聞いてほしい。

知ってほしい。


異性で傷付き、信じられなくなったのは高村だけじゃないと。



俺も高村の気持ちを理解することが出来る―と。


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