幸せの音が響く

嬉しかった｡


そういう風に気遣ってくれて、そういう風に考えてくれてるなんて｡


やっぱりまだ信じられない｡

こんなに想われてるなんて｡


私の人生にこんな事が起こるなんて―ってそればっかり｡



でも、やっぱり付き合ってた人いたんだなって思うとショックかなぁ・・と少し思ったり・・｡


“不安を全部言ってよ”って言ってくれたけど、言えないよ｡

嫌われたくないもん・・。　


「大丈夫だよ。何もないよ」

『ウソ。顔見れば分かる。もっと俺のこと頼ってよ。好きな女の不安も受け止められない、そんな器の小せぇ男じゃねぇからさ｡
もし、こんな事言ったら俺に嫌われるとか思ってんならそれは間違いだぜ？
ちょっとのことで嫌いになれる程、俺の気持ちは軽くねぇから。な？』



私は最低だ｡

自分の勝手な感覚で鷹野君の器を決め付け、鷹野君の想いを信じてないんだもん｡

鷹野君のこと信じようって決めたのに｡



「ごめんなさい・・」

『えっ何で謝んの？俺、何か変なこと言った!?』

「ううん、自分がイヤで・・｡
鷹野君は凄く考えてくれてるのに、私は彼女さんがいたことに対して勝手に不安を募らせちゃって最悪だなって・・本当ごめんなさいッ」


自分が恥ずかしくて俯きながらそう言うと鷹野君が私を抱きしめ言った｡


『何で謝るの？謝らなくていいんだよ。高村を不安にさせたのは俺なんだから』　

「で、でも・・」

『本当のこと言って？』

「あ、本当は・・付き合ってた人がいるって聞いて少しショックっていうか｡
私、付き合ったことないし付き合うってどんな感じなのかも分かんなくて、本当は未だに鷹野君が私を好いてくれてるのも実感無くて・・・」

『さっきも言った通り、向こうは遊びで付き合ってて俺は見かけだけの彼氏だったから俺もあの時のことは無かったことにしてるんだ。あんなのは本当に付き合ってたって言えない｡
だから、俺の初カノは高村なんだよ。高村にとっても俺が初カレなんだろ？なら、お互い初カレ初カノってことだな｡
はは、超嬉しい』

「・・ありがとう・・」








私はこんなにも想われている。