幸せの音が響く
ガラ――


「あ、荷物運びもういいの?」

『え?あ、ああ。もう終わった。コレ先生が2人で飲めってくれた』

「わぁイイの?私このブドウジュース好きなんだ」

『高村って柑橘系も好きだろ?』

「うん、グレープフルーツとか好きだけど何で知ってるの?」

『よくグレープフルーツのジュースとか買ってるし、飴もそういう味とか持ってたりするから、多分そうだろうなーっと思って』

「スゴいね」

『言ったろ?ずっと高村を見てたって』


俺の言葉で高村が照れているのが分かる。


「あ、あの・・ずっと見てたっていつから・・?」

『ん〜、1年の秋頃かな』 

「そんな前から!?」

『そんな前から♪』

「全然知らなかった・・ぅわ何か恥ずかしい・・」

『だから俺マジで今、超幸せなんだって!!高村が昨日、夢みたいって言ってたけど俺だって夢みたいって思ってんだから』

「あ、ありがとう・・」

『何でそこでお礼?』

「・・私のコトを見ていてくれてありがとうってのと、幸せだって言ってくれてありがとうって意味なんだけど・・」

『はは・・俺やっぱ高村のこと好きになってよかったわ!!』

「本当に・・?」

『本当に!!』

「じゃぁ、もう一つ聞いていいかな?」

『どうぞどうぞ!!』

「その〜・・何で私なの?・・私のどこらへんを・・こう、好いてくれたのかな〜ぁ・・って・・」


きた!!先生が言ってた通りだ!!

高村は不安なんだ。何で俺が高村を好きになったか・・。

でもまぁ、普通知りたいよな。相手が自分のどこを好きになったのか。

いいぜッ。お答えしましょう!!


『俺が高村を意識するようになったのは、何気なく言った高村の言葉だよ』

「言葉?」


キョトンとした顔で俺の次の発言を待つ高村。

でもその表情の中に、私何か変な事言ったかな?と不安を募らせる感じもうかがえる。

可愛いなぁ。


『人の気持ちを弄ぶのは嫌って言葉』

「私、そんなコト鷹野君の前で言ったかな?」

『俺が偶然聞いたんだ』



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