幸せの音が響く
う〜〜ッ恥ずかしいよー!! 


でも、何かすごく愛しい・・・。

男の人を後ろから抱きしめるなんて初めてだからドキドキするはずなのに、あるのは触れたいっていう感情だけ。


自分の腕を後ろから鷹野君の首にまわして、顔は右肩にうずめた。


ぅわ・・っ!!こんな感じなんだ。

抱きしめられる時と自分から抱きしめる時って全然違う。


離れたくない。放したくない。

ずっとこうしてたい。


「好き・・・」


何の恥ずかしさもなく自然と口から言葉がもれた。


『高村』


鷹野君の声で顔をあげ、まわしていた腕を解こうとしたらクルッと座っている椅子を回転させ、お互い向き合う形になった。


初めて抱きしめた恥ずかしさとポロッと出てしまった言葉とで一気に照れてしまい鷹野君から目線をずらしてしまった。

そんな私の腕をグイッと鷹野君が引っ張り――


「わぁ!!えッ!?ちょっ・・何して・・!?!?」


自分の右足に私を座らせた。
引っ張られた腕は肩にまわされ、鷹野君の手は私を支えるかのように腰に添えられた。


何て状況なの!?これは!!


「ちょっ・・鷹野君!?降りる降りるッ!!降ろして!!?」

『ダメーこれも俺の望みなんできいて欲しいな♪』


そう言って腰に添えた手でグイッと私の体を自分の方へと近付けた。


無理無理無理無理ッ!!!!


「絶対嘘ッ!!!!今度こそからかってる!!」

『からかってないよ。ただ高村の慌てふためく姿と顔が見たいってだけだよ?』 

「それをからかってるって言うのッ!!もぉ!!私重たいってば・・!!」

『だから軽いって。何ならもっかいお姫さま抱っこしようか?お望みなら抱っこしたまま一回転もお付けしますよ♪』


ニカッと笑ってサラッと凄いこと言ったよ。

何か本当にやってしまいそうで怖い。


『お姫さま抱っこと膝の上。どっちがいい?』


そんなの両方とも恥ずかしいに決まってる!!

でも強いて言うなら・・


「・・膝の上・・」






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