幸せの音が響く
教室に戻ってからも私の心臓はドキドキがおさまらないでいた。


だって、お姫さま抱っこだよ!?恥ずかしいに決まってるじゃん!!

なのに鷹野君たら・・。

恥ずかしいセリフもサラッと言っちゃうし・・・!!



「幸おはよー」


涼子がいつもと変わらない挨拶をくれた。


「おはよう」

「アレ?何か顔赤くない?」


ドキッ!!


何かと私のことに勘づく涼子。


「えっ、そ、そう?」


さっきまで鷹野君にお姫さま抱っこされてたなんて言えるわけもなく。



「別に普通だよッ?」

「ふぅ〜ん・・」


と言いながらニタニタと不気味な顔でこっちを見ている。


「ちょっと!!なに!?その笑顔!!」

「べっつに〜ぃ♪ちょっとした親心だよ」


はぁあ!?!?


「親心??なにそれ??」

「いやね、ずーっとあたたかい目であんたの成長を見てきたこっちとしては嬉しくて顔も緩むってわけよ!!」

「今のは緩むじゃなくてニヤけだよ!!エロ親父みたいだよ?」

「んじゃそのエロ親父から質問」

「なに?」

「もうキスした?」

「はっ!?!?なっ、何言ってんの!?普通そんな事聞く!?」

「いいじゃん教えてよ♪」



ねぇ〜ってば!!と私にじりじりと近付いてくる涼子。



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