幸せの音が響く

涼子の見解

「ふぁ〜っ・・眠たーい・・・幸はもう来てるよね」


幸はチビちゃん達を送ってるからいつも朝早い。
本当思う。偉いなぁと。
ま、幸は苦に思ってないみたいだけどね。

そんなワケだから私は幸と一緒に登校したのが数える程度。
でも淋しいとはあまり思わないかな?
てか、そんな子供じゃないし。 

さ、んじゃぁ今日も行きますか。





校舎に入り、教室に向かう途中、幸と鷹野が一緒に歩いてくるところに出くわした。 


「あ、涼子・・」


すげぇ珍しい2ショット。てか、初めて見たよ。

一瞬、私を見つけた時の幸の顔が驚いたように見えたのは私の勘違いかな?


「おはよう。なに?2人して一緒なんて・・珍しいじゃん。どうしたの?」


普通の疑問を投げかけただけなのに幸が動揺した。

ん? やっぱりさっき驚いたように見えたのは間違いじゃなかったみたい。

幸のちょっとした動揺で、何かあるって確信した。


「あ、いや別に・・何も・・」


うん。絶対何かある。
幸ってウソつけないからなぁ。 顔と態度に出るんだもん。

ちょっと気になるけど、今は聞いちゃいけない気がしたから後で2人になった時に聞こうかなと思ったところに―


『ああ、ただ図書委員のことで用事があったんだ』

「あ〜そうなんだ」


鷹野が横から入ってきた。何か幸をフォローしたようにも見えたが・・?

ま、どうでもいいや。


その場で立ち止まり話をしていたら、どっからか甘い声で・・・


「あー響おはよ〜うッ
もう来てたのぉ?最近、朝全然会わないじゃーん。どうしたのー?」


などと学年の中で1番派手な女子・水澤 可那(みずさわ かな)が鷹野に近寄ってきた。

鷹野にまとわり付いてる、とりまきの1人。

大抵、どこの学校でもちょっと見目のイイ男子がいると群がって来る女子のあれ。


私はこういう女が嫌い。


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