幸せの音が響く
「いつから好きなの?」

「いつからって言われても・・うーん。なんだろうな?鷹野君のイメージが変わった時から惹かれ初めてたのかなぁ?とか思ったり?」

「イメージ?何かあったの?」

「うん。1年の時の話なんだけどね。
学校の帰りにバス乗ったら鷹野君もいて私は後ろの方に座ってたの。
あるバス停でおばあちゃんが乗ってきて、その時殆んど席が埋まってて、そしたら鷹野君がスッ―とおばあちゃんに席を譲ったの。
本当、何の迷いも無く。
それ見て、凄いなって思って・・」

「凄いって、幸もするじゃん」

「や、でも普通席を譲るとかって勇気がいたりするじゃん?なのに平然とするなんて凄いなぁって。
それに、失礼かもしれないんだけど、意外だなぁとも思ったり・・。
や、本当に失礼なんだけどッ・・・なんか、そういう事しなさそうっていうか・・もう勝手なイメージがあったから、見事に覆されたっていうか・・・そんなんで・・・」

「へーぇ。確かに意外だよね。アイツでもそういう事するんだ。
だって、見た目チャラそうな奴がおばあちゃんに席譲るとかって想像つかないもん。分かる分かる。
ってことは、それから鷹野に対するイメージが変わったってわけ?」

「うん、まぁ・・」

「他に好きなったきっかけとかあったりするの?」

「多分きっかけがそれで・・・・本当は自分でも気付いてたの。
鷹野君と接してたら次第に惹かれていくんじゃないかって。だから鷹野君と離れたかったのに、クラスも委員会も一緒で、おまけに席は隣だし・・離れたいと思えば思うほど近付いて・・・。
委員会とかで鷹野君の優しさを知るたびに心が動かされて・・・」

「それで完全に惹かれたわけだ」



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