幸せの音が響く
鷹野ってモテるから女に不自由してないのかと思ってた。

でも、モテるからって良い思いをしてるんじゃないんだ。

目に見える輝きとは裏腹に哀しい傷を持ってる。

このことを幸が知ったらどう思うかな?


「あっ、そうだ!!
私が幸の傷喋ったこと秘密にしてよ?あんたの傷も秘密にするっていうか、知らないことにするから」

『何で?』

「普通さぁ、自分の知られたくない過去を勝手に喋られたって知ったらどうよ?嫌じゃない?
まぁ、喋ってしまった私が言うのもなんだけどさぁ・・」

『まぁ確かに・・。
高村のことは分かったけど、俺のことは別にいいぜ?』

「良くねぇよ!!いいか?よく聞けよ?もし、例えばの話、幸があんたのことを好きだとして、幸が知らない事を私が先に知ってたら幸はどう思うよ?
普通、好きな人の事は1番に知りたいし全部知りたいだろ?
それに、心の傷なんて尚更知りたいじゃん。
他の女じゃなく、自分にだけ打ち明けてほしいって思うじゃん。
自分だけに心の傷を打ち明けられたら、自分に心を開いてくれてるって思わない?」

『それは思う』

「だろ?そう考えると幸の為にも秘密にしといた方がいいんだよ」

『優しい嘘ってわけか・・』

「そういうこと」



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