幸せの音が響く
  『遊園地行かね?』




勢いで言ったらこんな言葉が出てきた。

慌てて、2人ではないこと・たまたま人数が余ったから―などと弁解をするように話した。

それでもまだ何か不安があるらしく、南にも行くの?と尋ねていた。

まぁ、男が苦手なワケだし?1人で行くのは気が引けるよな。
でも、それでも・・・


何かショックかな・・?


と思ってしまったり。

けど、そんな自己中な考えしてると南に怒られちまう。

“言っとくけど、私はあんたの気持ちなんてどうでもいいの。
幸の気持ちの方が優先。
大体、まず自分の気持ちより相手の気持ちでしょ!?” 

そうやって、常に高村のことを第一に考えろ。と言われた。

その後に佐伯先生が―

“南のは極端だけど、相手のことを思うばかりで自分の気持ちを押さえてたら、いつか自分自身が壊れる時があるからね。
要は、少しでもいいから思いやりの気持ちを心に備えておくってことだね”

とフォローしてた。


そりゃ、俺だって高村のことが1番だ。

高村を傷つけたくない。
苦しめさせたくない。
悲しませたくない。


いつだってそう思ってる。 

だから、高村と一緒に遊園地に行ければ、それでいい。


まずは少しずつ。

距離を縮めることが先決だ。


こんな事でいちいち落ち込んでられない。









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