君の色
「えっ、ゆ…悠司?どうしたの」
ガタガタとイスが倒れる音。
春に集まっていたみんなも
悠司の方をみた。
「っ悠司!!!大丈夫か!!」
春が大声をあげて悠司の体を揺さぶる。
けれど悠司は苦しそうな顔をして
うずくまっている。
「キャー!悠司くん…」
悲鳴に近い声で誰かが叫んだ。
辺りを見渡すと泣いている子もいる。
きっとビックリしたのだろう。
私も突然のことで頭がついていかない。
すると悠司がゆっくりと立ち上がった。
「すいません。もう大丈夫です」
悠司は春にそう言って、
倒れているイスを直した。
「っおい。ホントに大丈夫なのか」
いつもはやんちゃな青が言った。
けれど悠司は、大丈夫と言って
いつも通りに座っている。
「悠司、お前保健室行け」
いつもより少し低い声で
そう言ったのは、春だった。
「先生、俺大丈…」
「大丈夫じゃないだろ!!」
悠司の声を遮って春が怒鳴った。