君の色



「いつまでも逃げるなよっ!」


――きっと春は何か知ってるんだろう。

直感的にそう思った。

すると春がこちらを向いた。

「南智。悠司を保健室に連れてけ」

なっ。と言って、頭を優しく叩いた。
春は悠司にも頭を2・3回叩いて、
ぐしゃっとした。

「少しは人に甘えろよ」

何だかわからない…わからないけど
涙が出てきた。

それは悠司も一緒で。

2人で静かに教室をでた。

教室を出るときに春が『話してやれよ』
と言った。



< 11 / 22 >

この作品をシェア

pagetop