君の色
「いつまでも逃げるなよっ!」
――きっと春は何か知ってるんだろう。
直感的にそう思った。
すると春がこちらを向いた。
「南智。悠司を保健室に連れてけ」
なっ。と言って、頭を優しく叩いた。
春は悠司にも頭を2・3回叩いて、
ぐしゃっとした。
「少しは人に甘えろよ」
何だかわからない…わからないけど
涙が出てきた。
それは悠司も一緒で。
2人で静かに教室をでた。
教室を出るときに春が『話してやれよ』
と言った。