君の色

悲しみの果てに




*悠司*

まさか手首の傷まで知られていたなんて。
いつも俺の痛みに気づいてくれるのは
南智だった。

「南智っ。気づいてくれて…ありがとう」

南智の瞳には次から次へと涙が流れる。

「その傷の分だけ強くなろうね」

南智には敵わないや。
いつも俺がほしい言葉をくれる。

「ありがとう」

「ははっ。何もしてないのにありがとうって。悠司らしいね」

可愛い笑顔を俺は忘れないから。
ずっと覚えてるから。
だからどうか…幸せになって。

俺を救ってくれてありがとう。



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