君の色
#光#
*南智*
悠司が全部話してくれたおかげで
少しほっとした。
けれど、少なからず私たちの心には
傷ができた。
悠司はどこにもぶつけられない思いを
自分の手首にぶつけたのだ。
制服の袖口から見えた傷。
痛々しいくらいの切り傷。
その傷を少しでも忘れてくれたら、
悠司は前よりは傷つかなくてすむのかな。
「南智、ここどうやって解くの?」
今日は土曜日だけど
月曜日からテストだから勉強会だ。
悠司は数学だけは苦手らしい。
「んっと〜ここに代入してー…」
「あっ、そーなるのか!」
少し教えれば出来てしまうのが悠司。
まぁ、前回もトップだったもんね。