君の色



2時間もしたら疲れてしまう。
私はいつの間にか寝てしまった。


「…ち、南智、なーちー!!」

「っえ!!!!」

夢の中からアッサリと戻された私は
どうやら悠司に起こされたようだ。

「南智。寝ないでよ」

「えっ、ごめん!!ってか、今何時?」

今日は、8時までには
帰らないと…。

「7時15分」

「はっ!!!」

ウソでしょ〜!!

今日は、どうしても外せない用事が
あるのに〜。

「どうしたの?今日なんかあった?」

悠司に聞かれる。

「うん。今日は青の誕生日なんだ」

そう。今日は青の誕生日だ。

だから早めに帰って
大好きな抹茶クッキー焼いてあげようと
思ったのに。

1人で戸惑っていると

「…そっかぁ」

ため息まじりに浮かない顔の悠司。

「?悠司、どうしたの?」

呼び掛けると酷く切ない表情をしていた。

「ううん。なんでもない。ごめんね」

具合でも悪いのかな。
それとも疲れてるのかも。


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