君の色
#再開#
*南智*
帰ってくる。
もう少しで…。
『さよならしてもいつか逢えるから』
『泣かないで…大丈夫。必ず必ず迎えに来るから』
『約束する。離れてても心は1つだから』
たくさんの思い出がよみがえる。
君が…悠司がくれた言葉。
全部全部忘れてないよ…。
――ガラッ
「みんなオハヨー」
朝から騒がしい声が聞こえてくる。
みんなはそれぞれの席へと向かった。
「な・ん・と〜転入生がいます!」
人一倍大きな声で説明しているのは
”中澤春“…一応先生だ。
まだ教師成り立てで”23才“だ。
「まぢで〜女、男?」
「ハッハッハー女子お待ちかね!男だっ」
「キャー!」
「待ってましたー!」
口々に騒ぎ出す女子たち。
「カッコイイ?春よりイケメン?」
「君たち…俺のことは『春先生』って呼んでね!」
そう言ってみんなにウインクをしてみせた。
それをみた女の子たちは
たまらず叫びだす。
「キャー!!やっぱり春が1番!」
「ケッ!どこがいいんだよ。あんなインチキ教師!」
男子たちはおもしろくないのか
春に八つ当たり。
…まぁ春が羨ましいんだろうけど。
「まぁまぁ。とりあえず転入生入って」