光の魔法を君に
「ん・・・」
小さな小さな声が微かに開いた夢羽の口から洩れる。
その声を聞いた瞬間俺たちの間に安堵感が漂う。
「俺の家に戻ろう。」
ラウルさんが踵を返して戻る。
そのあとを夢羽を背中に乗せたコウが歩く。
蘭も海もバーティさんも竜樹さんも。
だ け ど
「俺はいけない。」
海にしか聞こえないよう呟いた。
驚いた表情で、こちらを見る。
「ちょっと、調べ物しないといけないからね。」
大丈夫、夢羽が目覚めるまでには戻るから。
そう、付け足して俺は
アノ人物の後を追った。