光の魔法を君に
森の中を駆け抜ける。
「セタ。左だ。」
「りょーかい。」
セタは俺の使い魔の名前で鹿。
今は背中にのせてもらってる。
「空、夢羽のそばにいなくて良かったのか?」
森の中を駆け抜けながらセタが話す。
「いいんだよ。夢羽には蘭も海もついてる。
ハル、あたりを洗い流してくれ。」
使い魔をもう一匹呼ぶ。
「空っ♪久しぶりね。あたりってどこまで洗えばいいの?」
くるりと宙を舞う鯆、ハル。
「半径・・・10ノーム。」
あれから、だいぶ時間がたったんだからどこまで逃げてるかわからない。
「相変わらず無茶な命令ね。」
「・・・行け。」
バツが悪いので一言そう言ってセタに指示を出す。
リーン・・・・。
静かな森の中に鈴の音が響き渡る。