光の魔法を君に
竜樹さんがあたしに向かって意を唱える。
「・・・ッ決戦の前に何故、相手側に向かうのだ!!」
「・・・・・」
「そこで、誰かが怪我を負ったらどうする!?それこそ、戦えぬではないか!!」
言ってることは的を射ている。
それでも、それでも。
「仲間が助けを求めるなら、あたしはその手を離さない。その声を見失いはしない。」
強く、強く、
引っ張られるの。
“早く、助けて”って。
例え、それを言葉にしてなくても。
例え、心の奥底でとどめていたとしても。
そう思ってる限り、あたしは助けに行く。
竜樹さんはあたしを見て、フッと声を漏らし
「・・・・その瞳には、逆らえないな。」
微笑んだ。
「・・・その話に俺は乗ろう。」
「!!・・・ありがとうございます。」
「・・・じゃ、俺たちも。」
後ろにいたみんなも笑みをこぼしてあたしの手をとる。