光の魔法を君に


不意に香る鉄の、匂い。



「・・・ん・・っ血の・・匂い。」


皆が顔をしかめる。




新しく、流れている。




大きな、鉄の扉からする染みついた血の匂い。



黒く、紅く、



あたしたちを翻弄する。





「・・・太陽・・がここに・・・」



気配で、感じる。


懐かしい貴方。




「・・・・・・」




空が鉄の扉に手をかけ、開ける。





中の光景がすぐに目に入った。



「・・っ・・・」





___思わず、目を逸らす。






「・・・っはぁ・・・っぁ・・・」


太陽が部屋の端っこに座っており、そこにはこびりついた古く、黒い血が。



そして、服についている、まだ真っ赤な液体。




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