光の魔法を君に


「・・鈴はね。苦しいのよ。貴方を憎む気持ちと慕う気持ちがあるの。」


愛華の記憶の中にある鈴は、哀しそうで辛そうで今にも、壊れてしまいそうだった。



「・・・わかってる。ホントはわかってた・・・。鈴は、鈴は、悪くないって。」


___分かってた。


いつだって。分かってた。




「けどっ・・・。鈴を一瞬でも悪者にしないと保てなかった・・・!!」


そう、保てなかったの。




___鈴は、あたしを憎んでいた。

___あたしは鈴に憎まれている。



鈴は、闇に染まったって・・・。



「・・・鈴は、汚れてなんかいない・・・。悪者なんかじゃない・・・」



___嬉しいの。


けど

___嫌なの。




「あたしは・・・鈴から・・逃げたんだ・・・。」



闇に染まった貴方を必ず救う。



そう誓ったはずなのに、手を伸ばすことさえできなかった。あの時・・・。





「・・・あ・・ったしは・・・ッ弱い・・・!!ッ弱い!!!」








___弱くては、生きてはいけない。






強く、強く、



あたしの中に結びついている。





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