光の魔法を君に


恭しく頭を垂れ、あたしの前に腰を下ろすバク。

「主、私はどんなことがあろうと貴方の傍を離れません。癪ですが、コウの言ったことは私たち全員の想いです。それをお忘れなきよう・・・。」


バクの言葉にコウが突っかかる。


「おいおい!!ちょいまてや!!なんで癪やねん!!お前はいっつもいっつもいけすかへんのぅ!!」

「だから言ったではないが。癪だと。お前がそのようなことを言うのは吐き気がするわ。」

「あぁん!?なんやとコラ!!ここでシバいたろかっ!!」

「お前、誰に向かってそのような戯言を言うておるのだ。私がお前に負けるだと?そのようなコトがあるはず無いではないか。」

「お前・・・黙って聞いていれば・・・。こっち来い!!決着つけたる!」

「自分が負けると思っていてもプライドが許さないと・・・。良いだろう。戦いの前の準備と行こうではないか。」


のしのし、と歩いて行く2匹の大きな・・・・狐と狼。



さっきまで、あんなに大きくなかったのに・・・。
いつの間に、樹ほどのでかさになってるんだ・・・。


あたしは怒り狂った2匹を止めもせず見つめていたら・・・・



「二人とも!!何をしているのですか!!」


凛とした、鋭い声が2人に飛ぶ。


「なんや、ノウ。止めるな。これはコイツとワイの戦いや!」

「そうだ。ノウ、そなたに私を止める権利があるとでも?」


ノウがフルフルと身体を震わせる。


「ノ・・・ノウ・・・?」


ちょっとだけ怖くなってノウに声をかける。


うん、ノウはね。怒ると怖いんだよ・・・。
知ってる?知らない?知らないなら知ってた方が良いよ。

“大人しい人ほど怒ると鬼が降りてくるって。”ね。



「さっきから聞いていれば、馬鹿が。」


ノ・・ノウさ~ん。
口調が変わっていますよ・・・?






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