光の魔法を君に



柔らかな日差しが、舞いこむ。


「・・・ん・・・」


ぼんやりと広がる視界に、眠っていたんだと思う。


「・・・夢羽・・・」


愛しい彼女の名を呼ぶ。応えないとは分かっていても。









あれから、世界は一変した。



魔属と人間は同じ国に住むようになって、互いに互いの特技を生かし助け会いながら生きている。
闇に生きていた生き物は、一緒には住めないが少し離れたところで生活している。


奴が王だったころの側近は全て、剥奪し農民や商人と同じように働いている。




変わったのは、人のココロ。


変わらないのは、ずっと眠っている夢羽。
夢羽が眠りについてからもう、3か月がたとうとしている。


あれから、俺の立場も変わって“王”という位に着いた。
元皇子だから、と皆に強く押されて。




海は側近で俺の後ろを静かに支えてくれている。





鈴も、全てを皆に話し、今では夢羽を溺愛している。
暇さえあれば、夢羽を見に来ているのだ。





だから、夢羽。



早く起きてよ。






「・・・夢羽、みんなまってるよ。」


銀に煌めく髪を梳く。
金に輝く瞳を見せてよ。





「お願いだから・・・・。」


懇願しても夢羽は目覚めてくれない。





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