光の魔法を君に
「……夢羽、」
呆れたような声色であたしを諭す空。むぅ、と膨れっ面を向けて言い放つ。
「女子会するからでてって。」
ピキン、と空が固まった。
しょうがないじゃん。まだまだ話したいことは山ほどあるんだから。
「そうね、やりましょう。鈴も愛華も、」
ニコリと綺麗に笑んで蘭が賛同する。愛華もやりたいと言って笑う。
やろうかー、お菓子と飲み物が必要ね。等とキャッキャッしてたら空があたしを抱き上げて、部屋から出た。なにさー。
「………空、拗ねないで。」
「………夢羽が目覚めるのずっと待ってたのに。」
部屋から出て扉をしめた空。勿論抱き上げたまま。ふい、とあたしから顔を背けて拗ねる。
そんな空が可愛くて愛しくて笑みが漏れてしまう。
「……空、あたしが一番好きなのは空だよ。それは絶対で、蘭も愛華も鈴も太陽も陽太も海も誰も空の代わりにはならないよ。だけど、今は鈴の話を聞きたいの。聞かないとだめなの。だから………お願い。」
空色の髪を撫でながらコツン、と額に額をあわせる。
空ははぁー、と溜め息をついて合わせた額にキスをする。
「わかったよ。今日はいいけど、明日からは俺と一緒だよ?」
「うんっ!ありがとう、空。」
嬉しくて空の唇に私のそれを重ねる。けどすぐ離すつもりが、頭を手で抑えられて深いものに変わった。
「……んっ」
息が苦しくなって熱くなる。
空は満足したのかリップ音をたてて唇を離し、妖艶な笑みを浮かべて悪戯に言う。
「ごちそうさま、」
そんな笑みにクラッときながらも、幸せを噛み締める。
好きな人に触れて触れられて、
ギュッと出来ることが幸せなんだと今、こうして思うの。