光の魔法を君に


だから、ギュッと力を込めて抱き締める。
隙間なんて作らないくらいに。


「ん、」


微かに漏れた夢羽の声に少しだけ欲が出て、首筋にキスを落とした。案の定、ビクリとする体。
そんな夢羽に笑いかける。


「大丈夫だよ、」


夢羽は俺を見て一瞬顔を歪めて笑ってから、小さな、小さな、嗚咽を堪えながらすがり付くように泣いていた。



***


――あぁ、やっぱり空だ。


なんて思ったのは温かい腕の中で泣いた瞬間。
優しい、貴方がいるからあたしは何も言わずにここ、で泣けるの。


「そ、ら……。」


小さな声で読んでも必ず気付いて笑いかけてくれる貴方。


「……ありがとう、」

「どーいたしまして。」

「……だいすき、」

「………俺も、愛してる。」


2人で遊びながら、愛を誓う。
綿菓子みたいに甘いのに、宝石のように固い。
そんな、言葉を貴方に贈って、贈られて。



もう少しで、みんなの所に戻らなきゃいけないけど。



もう、少しだけこのままで――。

「ずっと、一緒にいよ。」

「あぁ、約束する。」



月明かりの下。
2人で誓いをたてる。



―――ずっと、貴方を愛します。




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