光の魔法を君に
甘ったるい声が夢羽から零れる。そして、勢いよく俺から離れる。勿論、顔を真っ赤にさせて。
「なななな・・・・!!」
口がうまく回らないほど動転している。そして、
「空のバカーーーーーーー!!!」
バタン、と大きな音をたてて公室を出ていく。
真っ赤になった顔に涙目で走り去っていく。
「・・・はぁ」
これは蘭に殺されるか?と思いつつ、公務を再開する。
夢羽を迎えに行くのは夜でいい。今行ったら殺される可能性が高い。なんせ相手はいつも腰にジェルノアを携えているお姫様だから。
___数分後、コウがやって来た。
器用に扉を開けて閉める。
俺を憐れんだ目で見ながら。
「夢羽からの伝言や。“ジェルノアで斬られるか、光で目を潰すか。どっちがいい?”やと。」
「・・・・・」
はぁ、ため息が自然と大きくなる。そんな俺を見兼ねてか、
「まぁ、気にすんなや。皆お前の根性には感心しとるで。キスしかしとらへんからな。蘭も一応は味方や。」
「・・・ありがと、けど夢羽がね」
一番の悩みはあの純情純粋男を知らなさすぎるお姫様だ。
毎晩毎晩、同じベットで眠る俺の身にもなってほしいよ。
え?何にもしてないのかって?
それは皆様のご想像にお任せしまして。