春は突然に!―まさかのアイツに恋をした―
「あれ?怒っちゃった?
わりぃわりぃ!かんなちゃん」
てか、
アッサリ謝ってるし…
「そうだ、栞那。陸斗くんと、
西動物園に行ってきたらどうだ?」
なにか閃いたように
人差し指をたてるお父さん。
「え?」
すると、お兄ちゃんが
口を開く。
「おまえ、あそこのキリン好きだっただろ?
名前…なんだったっけ」
「あ!ニコルじゃない?」
母がいう。
ニコル……!あ!
「ニコル!会いたい♪」
「じゃあ、行く?かんなちゃん」
……うーん。
コイツと行くのは、
何か腑に落ちないけど
お母さんたちは
なんか大変そうだし。
「うん、行くかぁ!」
こうして、
あたしと泣き虫りっくんはニコルに会いに動物園にいったのだけど、
そのときに
泣き虫りっくんの本性を
知ることになるなんて
思いもよらなかったけど……