春は突然に!―まさかのアイツに恋をした―
「栞那ぁー!寂しいよ…」
目の前には今にも泣きそうなあたしの親友、莉世(リヨ)。
「あたしだって寂しいんだからー!莉世、また会おう?」
「うん…!」
すると泣き出す莉世。
「もう〜!あんたは泣き虫なんだから…。莉世?またメールするから!
それに、あたしがいなくても原っちがいるじゃん!
大丈夫だよ!」
「うわぁぁん!!栞那…っ!
原っちぃー!!!」
すると莉世は
原っちに抱きついた。
「りよは甘えん坊だなぁ♪
よしよし〜♪いい子だ!」
「原っちい〜!好きぃ…!!!」
「俺も好きぃ〜!!」
そしてあたしの目の前で
イチャこく莉世と原っち。
そう、原っちは莉世の彼氏。そしてあたしのいとこ。
「…はいはい、
ラブラブだね
…あたし、そろそろ行くから」
「…うんっ!!また…ね…?
あたし遊びに行くからぁ!!」
「またな栞那。
でもよかったよな。
おじさんとおばさんヨリ戻して」
「まぁね。」
おかげでいい迷惑くらったんだけどね。
「じゃあね!」
あたしは教室をあとにした。
うっすらと目に溜まった涙を
3月の風が溢していった。