怪奇愛好倶楽部。

「じゃあそろそろ帰るわ」

「え、もうちょい居ればいいじゃん」

同じく今日は家に誰も居ない
向かいの家に住む幼馴染と、
母さんの用意してくれていた晩御飯を
食べ終えた時、彼が言った。

彼の家は仕事でご両親が忙しいから、
こういう事は小さい頃からよくある。


「少しでも小降りの内に
 帰った方がいいだろ?」

「いっそ泊まってけばいいよ」

「なんで?」


「だって天気悪いじゃん」

「いや、意味が解らない」

天気が悪いからこそ、今の内に
帰るんだろう?と彼はもっともな事を言う



「……風呂だけでいいから入ってけよ。
 っていうか一緒に入ろうよ!」

「気持ち悪い!
 どうした、急に」

「実はさ、」

こんな事を言うのにはもちろん理由がある

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