怪奇愛好倶楽部。
お風呂に入っていると、時々、
目を瞑って、開けた時
目の前に何かが居たり、
髪を洗っていると、手伝われたり、
振り返ると、これまた何かが居たりする。
普段ならどうにか、
音や気配を察知してみたりして、
ドアだけを見て、すぐに出たりする。
でも、台風や嵐の日はそれが出来ない。
外からの物音が大きすぎるからだ。
「だからさ、頼むよ」
「お前、今までどうしてたんだ?」
「小さい頃は、停電したら怖いから!
とか言って父さんと一緒に入ってた」
大きくなってからは、
記憶が無いから知らない。
「……まあ、それならしょうがないか」
少し考えて、彼が言った。