怪奇愛好倶楽部。

お風呂に入っていると、時々、
目を瞑って、開けた時
目の前に何かが居たり、

髪を洗っていると、手伝われたり、
振り返ると、これまた何かが居たりする。

普段ならどうにか、
音や気配を察知してみたりして、
ドアだけを見て、すぐに出たりする。

でも、台風や嵐の日はそれが出来ない。
外からの物音が大きすぎるからだ。


「だからさ、頼むよ」

「お前、今までどうしてたんだ?」


「小さい頃は、停電したら怖いから!
 とか言って父さんと一緒に入ってた」

大きくなってからは、
記憶が無いから知らない。




「……まあ、それならしょうがないか」

少し考えて、彼が言った。

< 14 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop