怪奇愛好倶楽部。
少しすると、チャイムが鳴った。
鍵を開けようと部屋を出ようとして、
嫌な想像をしてしまう。
リビングも、お風呂も、玄関も1階だ。
もしも、もしもだけれど。
さっきのあれが鳴らしているのだとしたら
幸い僕の部屋は2階で、
窓から玄関の辺りを見る事ができる。
……怖いけれど、
いきなり開けに行くよりはいい。
そう思って、カーテンを開けた。
シャッ。
「……なんだ、コレ」
そこには、よくわからないけれど、
太い、木のような物が見えた。
庭にはこんな大きな植物は無い。
これもまた、怪奇現象か何かか?
見間違いだといいな。
願いながら、カーテンを閉め直し、
もう1度開けてみた。
「………………」
さっきの顔が、
今度はさかさまに覗き込んでいた。
そして、僕の意識はそこで途切れた。