怪奇愛好倶楽部。


少しすると、チャイムが鳴った。


鍵を開けようと部屋を出ようとして、
嫌な想像をしてしまう。

リビングも、お風呂も、玄関も1階だ。

もしも、もしもだけれど。
さっきのあれが鳴らしているのだとしたら



幸い僕の部屋は2階で、
窓から玄関の辺りを見る事ができる。

……怖いけれど、
いきなり開けに行くよりはいい。

そう思って、カーテンを開けた。


シャッ。


「……なんだ、コレ」


そこには、よくわからないけれど、
太い、木のような物が見えた。


庭にはこんな大きな植物は無い。



これもまた、怪奇現象か何かか?



見間違いだといいな。

願いながら、カーテンを閉め直し、
もう1度開けてみた。


「………………」


さっきの顔が、
今度はさかさまに覗き込んでいた。

そして、僕の意識はそこで途切れた。

< 23 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop